写真ブログ

心に残るのは

2010/07/14 18:50
また、シアトルでの話題です。
画像はブログの内容とは直接関係ありませんが、セーフコ球場のネット裏記者席に
飛び込んだファールボールそのものとそのボールが当たってへこんだ壁です。

そのセーフコフィールドでのちょっといい話を書かせてください。

野球観戦のときに、もしかしたらと期待するのがファールボールが飛んでくるなどして
試合球が手に入らないかということです。きっとこの思いは大人も小人も同じですね。

今回のマリナーズ観戦の際もすぐ近くにボールが飛んできました。
(フェンスが無いので強烈な打球も飛び込みます)
みんな怖がるどころかボールに飛びつき、争奪戦が繰り広げられます。
若い女性が手に入れて争奪戦も終了と誰もが思った瞬間、小さな男の子が
その女性の手から無理やりボールを奪い取りました。
当然、周囲はその子どもに冷たい視線を送り、こんな行為は許さないという雰囲気になります。
その時、球場の係員のおじさん(既に仕事をリタイアしたと思われる年配の人が実に多く
球場スタッフとして、楽しげに働いています)がその少年に静かに語りかけました。
  少年よ、ボールが欲しい気持ちはよく解る。
  でも、今君が取った方法は間違っている。
  あの人に返しなさい。
  このボールを持ち帰って、このボールを見るたびに思うことは
  嬉しさではなく、悪い方法で取ったことを知っている心の痛みだけだよ。

そんなことを(英語力が低いので多分です)語りかけていました。

周囲の人たちが、その少年はどんな行動を取るか固唾を呑んで見守っている中
しばらくして、その少年は目に涙を浮かべてボールを返しに行きました。

ボールを元の持ち主へ渡した瞬間に事情を知る周囲の人たちから拍手が起こりました。
少年の顔にも、恥ずかしいような、でも正しい行動を取ったという誇らしげな表情が
見て取れました。

なんかいいな、と思いながらもう1杯ビールを買いに走りました。
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