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きりたんぽ鍋、、、比内地鶏考

2011/10/22 20:37
秋も深まり、お鍋が恋しい季節になりました。
画像は秋田名物きりたんぽ鍋です。
鶏肉とお醤油の出汁にきのこ、ごぼう、長ネギ、セリなど、そしてご飯を半分つぶし
ちくわ状にして焼いたものが入ります。

この鍋に欠かせないのが比内地鶏です。
比内地鶏とは秋田県北部の比内地方に飼われる山鳥にも似た風味を持つと
いわれる比内鶏を由来とする地鶏です。
(純系比内鶏は保護されているのでもう食べれません)

日本で一番美味しい地鶏は、、、と問われて多くの料理人の方々がその名前を
上げるほどです。
この鶏肉のブランドともいえる比内地鶏にも、過去に偽装事件がありました。
その騒動以来、今では比内地鶏に関する厳格な基準を設けて、出荷の際には
証明書を添えるようになりました。

そこで問題が発生です。(と思っているのは私だけかもしれませんが、、、)
飼育方法も規定があり、一定の広さの中では個体数を限定し十分な運動ができる
環境下で飼育することとされています。
十分な運動をして、ブロイラーとは比べものにならない長期飼育を経た肉ですから
鶏本来の美味しさをもつようになります。しかし、その肉質はどうなるかというと
肉の味は優れていても一般には硬いとか、すぐには旨さが感じられないなどの感想が
寄せられることもあります。

霜降りの牛肉、まぐろのトロなど、口の中に入れた瞬間に脂が溶け出して舌にまとわり
つくものが美味しいと持て囃される現代の食文化の中では、噛んでいるうちに美味しさが
出てくる食物は、敬遠されないまでも、真っ当に評価されない場合があります。
ある食品メーカーで、昔の製法に戻ろうと人工的なうまみを出す化学調味料を入れない
商品を主力にしたところ売り上げが落ち込んだと話を聞いたこともあります。

本来のものより、現代に合わせたものが受け入れられる。
時代の変遷の中で頑なに守ること難しさ、そしてそれがいいのかどうか。

そんなことを思いながら久々の鍋と地酒で、少々過ごしたようです。
難しいですね、、、とここは評論家の一言で取り敢えず締めておきます。
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